知人から 試合中の脳震盪についてのメールが来た。
非常に興味深かったので、ネット上で調べる事にした。
新しい文献などを見つけたら順次このブログに紹介したいと思う。

以下の資料は ワセダクラブとKAFCAの資料を抜粋させて頂く。
http://www.wasedaclub.com/blog_detail/blog_id=8&id=269
スポーツ整形外科医のブログ
http://blog.livedoor.jp/soshi_sports/archives/1030652.html

以下の事に関しては、決してハードヒット等を否定するものではありません。
特に指導者の方には 熟読していただきたい。 特に脳震盪の発生率は、アメフトは10%で他のスポーツに比べて抜きん出ています。(他のスポーツは2〰3%)


負傷したプレーヤーに対する処置
本年より負傷の為のレフリータイムアウトがとられた場合、当該プレーヤーはその試合から離れ、その試合に復帰して出場することができなくなる。 ただし、競技団体に認定された資格を有する医務担当者の許可があればその試合に復帰することができる。医務担当者の許可があった場合でも少なくとも1ダウンは試合から離れなければならない。本規則は、出血した選手および審判員にも適用される。

〈 理由 〉 「レフリー・タイムアウトにより負傷退場した選手の再出場」は医務担当者の許可を必要とすることで、責任の所在を明確にした。特に「脳震盪の兆候を見せた」選手は、当該試合へ出場させない事が望ましい。
現在、国際スポーツ脳震盪学会では脳震盪後の試合復帰は一切認めない方向性であったが、NFLより専門の医師が安全と判断した場合には成人プレーヤーは復帰しても良いとなっている。しかし、18歳以下のプレーヤーについては復帰を認めていない。

脳震盪の程度(コロラド医学会ガイドライン)
Grade1  一過性の錯乱状態
意識消失なし
15分以内に軽快する脳震盪の症状や精神神経機能の異常

Grade2  一過性の錯乱状態
意識消失なし
15分以上継続する脳震盪の症状や精神神経機能の異常

Grade3   意識消失あり (持続時間に関係なし)

試合への復帰
*医務担当者がいる場合
Grade1 の脳震盪で1回目の選手だけが試合に復帰できる。
Grade1 の脳震盪も2回目の場合には試合には復帰できない。
  Grade2 以上の脳震盪は試合に復帰できない。
*医務担当者がいない場合
脳震盪が発生した場合にはGradeに関わらず試合に復帰できない。

*脳震盪の発生しやすい状況
初心者に多い
試合中に多い(練習時の2〰4倍)
疲労蓄積時に多い(夏合宿中など)
天候やグランドコンディションが良好な時に多い
試合中は後半が多い
試合中ではDBやRBに多い

現在ではこのような事は無いと思うが 過去において 監督、コーチ等から 「医者は大げさだから」
と自分の経験のみで指導する人が多かった。
チームドクターと登録された人の中にも医師の免許を持っていない人もいます。
判定をキッチリと下せるのは専門的な知識を持った医師の免許を持った人。

ラグビーにおいてはIRB、日本協会と共に脳震盪後3週間の試合出場の停止を義務付けています。
これは脳震盪の際、損傷した脳や微小血管の修復に約3週間かかるという理由からです。
最近注目されている病態にsecond impact症候群というものがあります。
これは脳震盪を起こし(症状は頭痛のみの軽い事もあります)、その後(その日だったり数日後だったり)に再度(2回目)の外力(打撲だけでなく遠心力など)により重篤な脳の出血を起こすことを言います。
そのため、最低でも意識消失を認めた場合(Grade3)は前例、脳神経外科でのCTの検査を行い、3週間のコンタクト禁止をお勧めします。
最後にもう一度申し上げますが、これは決してハードヒットを否定するものではありません。